センスが良いと思わせる 動画編集”鉄板 トランジション “15選

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 トランジション を書きます。

動画編集において、カットとカットをつなげる際にトランジションは重要な役割を果たします。

特に「スマッシュカット」や「ウィップパン」などの用語は初心者には難しく感じることがあるかもしれませんが、それぞれに特徴があり、使いこなすことで映像に大きなインパクトを与えることができます。

動画編集 トランジション 15選

ここでは、初心者向けにわかりやすく解説し、具体的な使い方の例も紹介します。

スマッシュカット (Smash Cut)

スマッシュカットとは、突然のカットでシーンが切り替わる編集技法です。シーンの終わりと次のシーンの始まりを強調したいときに効果的です。例えば、緊張感のあるシーンから急に穏やかなシーンに切り替える場合や、驚きの演出をしたいときに使われます。

: ホラー映画で静かなシーンから急に驚くシーンへ切り替えるとき。

Eye Trace (アイ・トレース)

Eye Traceは視線の流れを利用した編集技法です。前のカットと次のカットで観客の目の位置を自然に誘導し、シームレスにカットをつなぐことができます。

: キャラクターが左側に視線を向けているカットから、次のカットでも同じ方向に目線が向いているキャラクターのシーンに切り替える。

スタンダードカット (Standard Cut)

スタンダードカットは、編集の基本となるシンプルなカットです。特別なエフェクトやトランジションを使わず、シーンとシーンをそのまま繋げる方法です。無駄のないストーリー展開やテンポの良い編集を実現できます。

使い方:

シーン1とシーン2を並べて配置するだけで、特別な処理は必要ありません。例えば、インタビュー動画で質問者のシーンから回答者のシーンに切り替える際に使用します。スタンダードカットは視聴者に余計な注意を引かず、自然な流れを保つのに適しています。

ウィップパン (Whip Pan)

ウィップパンは、カメラが素早く横方向に振られることでシーンが切り替わるトランジションです。動きの速さとエネルギーを感じさせるため、アクションシーンやスピード感を強調したい場面に使われます。

: 車が高速で走り去るシーンから、別の場所にいるキャラクターのシーンに切り替えるときに使うと、映像にダイナミックさが加わります。

因果関係 (Cause and Effect)

因果関係は、ある出来事が原因で次のシーンが生じることを示すカットの繋ぎ方です。ストーリーテリングの重要な要素であり、物語の進行をわかりやすくするために使われます。

使い方:

例えば、コップが倒れて水がこぼれるシーンから、床に水が広がるシーンに切り替える場合です。最初のシーンが原因、次のシーンがその結果を示すため、視聴者に自然な流れで物語が進んでいると感じさせます。

アクション&リアクション (Action & Reaction)

アクション&リアクションは、ある動作(アクション)とその動作に対する反応(リアクション)を繋ぐカット技法です。物語の流れを理解しやすくするだけでなく、キャラクター同士のやり取りを強調できます。

使い方:

例えば、誰かがパンチを繰り出すシーン(アクション)と、それを受けて相手が倒れるシーン(リアクション)を繋げる場合です。動作の因果関係を強調するために使用されます。

カットオンアクション (Cut on Action)

カットオンアクションは、キャラクターが動いている途中でカットを切り替える方法です。動きの続きで次のカットに移行するため、シーンがスムーズに繋がり、流れが途切れにくくなります。

: ドアを開けるシーンで、ドアを開ける動作の途中で次のカットに切り替え、キャラクターが部屋に入るシーンに移行する。

音での繋ぎ (Sound Bridge)

音での繋ぎは、音を使ってシーンとシーンを自然に繋げるトランジション技法です。視覚的なカットが変わっても、同じ音が続くことでシーンの繋がりを感じさせます。

使い方:

例えば、カフェのシーンでコーヒーカップが置かれる音を、次のオフィスのシーンでも流し続けることで、視覚的には場所が変わっても、音の繋がりで視聴者をスムーズに次のシーンに誘導することができます。音楽や効果音を使ってシーンを連携させることが効果的です。

スピードランプ (Speed Ramp)

スピードランプは、動画の速度を徐々に変化させることで、シーンのダイナミズムや重要な瞬間を強調する技法です。シーンをスローモーションから通常速度、またはその逆に変化させることができます。

使い方:

アクションシーンやスポーツ映像でよく使われます。例えば、サッカーボールを蹴る瞬間をスローモーションにし、ゴールに入る瞬間から通常速度に戻すと、インパクトを与えることができます。スピードランプはタイミングを調整しながら使うことで、映像にメリハリを加えます。

ジャンプカット (Jump Cut)

ジャンプカットは、時間の経過を表現するために使われる編集技法です。例えば、同じシーン内で時間を飛ばして進行を早める場合に使用され、テンポ良く物語を進めることができます。

: 誰かが部屋の掃除をしているシーンで、あちこちの場所を短く見せながら、時間が経過していることを表現。

ルマフェード (Luma Fade)

ルマフェードは、シーンの明るさや輝度を基にカットをフェードイン・フェードアウトさせるトランジションです。黒や白の領域が広がるように次のシーンが出現するため、視覚的に洗練された印象を与えます。

使い方:

明るいシーンから暗いシーンに移行する際に、シーン全体が徐々にフェードアウトし、次のシーンに移る演出です。例えば、夕日のシーンが徐々に暗くなり、夜のシーンに移る場合にルマフェードを使うことで、美しい繋ぎを実現します。

Eye Direction (アイ・ディレクション)

Eye Directionは、キャラクターの目線の方向を意識した編集技法です。キャラクターがどこを見ているのかをシーンの繋がりで一致させることにより、視聴者に自然な視覚的な流れを感じさせることができます。この技法を使うと、観客の視線誘導を効果的に行い、映像がスムーズに繋がる印象を与えます。

使い方:

例えば、キャラクターAが画面の右側を見ているシーンがあった場合、次のシーンではキャラクターBが画面の左側から登場し、キャラクターAの目線に反応しているように見せます。このようにキャラクター同士の目線を一致させることで、視聴者は両者が対面していることを直感的に理解し、映像にリアリティが増します。

具体例:

インタビューシーンや対話シーンでは、片方の人物が左側を見て話しているカットの後に、もう片方の人物が右側を見て応じるカットを繋ぐと、二人が会話していると感じさせることができます。Eye Directionを意識しないと、キャラクターが不自然に別の方向を見ているように見え、シーンの流れが途切れてしまいます。

マッチカット (Match Cut)

マッチカットは、前のカットと次のカットの構図や動作が一致する形で繋がるトランジションです。シーンを効果的に繋げることで、視覚的に美しい流れが作られます。

: 誰かが物を投げるシーンのカットと、それが別の場所に届くシーンのカットを繋げる。

クロスカット (Cross-Cutting)

クロスカットは、異なる場所や異なる状況で起きているシーンを交互に切り替える編集技法です。クロスカットを使うことで、並行して進行している複数のストーリーや出来事を視覚的に結びつけ、緊張感や興味を引き出すことができます。また、タイムラインの中で異なる時間や場所を行き来しながら展開を見せることで、物語にダイナミズムを与えます。

使い方:

例えば、銀行強盗が進行しているシーンと、それに気づいて警察が向かっているシーンを交互にクロスカットすることで、緊迫感を高めることができます。視聴者はどちらのシーンも同時に起きていると理解し、物語のクライマックスへ向かう期待感が高まります。

具体例:

・アクション映画では、主人公が犯人を追いかけるシーンと、犯人が逃げるシーンをクロスカットで編集することで、視覚的に追跡劇の緊張感を盛り上げます。

・恋愛映画では、二人の主人公が別々の場所で同じ時間を過ごしているシーンを交互に映し出すことで、感情的なつながりを強調することができます。

シームレストランジション (Seamless Transition)

シームレストランジションは、視覚的に滑らかにシーンを切り替える方法です。視聴者にカットを感じさせず、自然な流れで別のシーンに移行することができます。

: キャラクターが一つの扉を開けるシーンから、次のカットでは異なる場所の扉を開けて入るシーンに繋げ、連続性を演出する。

よくわかるチュートリアル動画

まとめ

トランジションは、動画編集においてシーンの繋がりを滑らかにしたり、視覚的なインパクトを与えるための重要なツールです。

ドキュメンタリーでは使う機会はほとんどありませんが、演出効果が求められる映画やアート作品、バラエティ系番組などでは多用されるので知っておいて損しません。

スマッシュカットやウィップパンのような大胆なトランジションから、カットオンアクションやマッチカットといったより自然なトランジションまで、状況に応じて使い分けることで映像のクオリティを向上させることができます。