
人物やキャラクターなど、撮影した動画の一部だけ切り抜いて別の動画に重ねたい時ってありますよね。
静止画ならグラフィックソフトで簡単に切り抜けることも動画だとたいへん。
そこでAfter Effectsを使って切り抜きに挑戦しましょう。ロトブラシというツールを使うとワンタッチで動画が切り抜けます。
動画の一部を切り抜く方法
切り抜きやすいのは背景との境目が明瞭な動画です。たまに、背景が動いていたり輪郭がぼやけていたりすると成功率が落ちることがあります。ここでは基本的な流れを紹介します。
事前準備
After Effectsを起動して、切り抜きたい素材をタイムライン上に配置します。
解像度と高速プレビューオプションがフル画質に設定されていることを確認します。
ロトブラシで切り抜く
タイムライン上に置いた素材をダブルクリックして[レイヤーパネル]に切り替えます。
[レイヤーパネル]に切り替えるとカーソルの色が緑色になります。
再生バーを先頭に持って行き、カーソルを使って切り抜きたい対象物の輪郭をなぞります。
すると、対象物の周囲が輪郭線で囲われます。
スペースキーを押すと、動画のコマが動き出し、コマごとに輪郭が解析されなぞられていきます。
パソコンが非力だと途中で止まることがあります。その場合は止まった時点から輪郭をなぞりなおしてスペースキーを押します。
はみ出た場合は、マイナスブラシで消すことができます。Altキーを押しながらブラシ操作をします。
カットの最後まで解析が終われば切り抜きは終了です。
最後に、エフェクトコントロールパネルに出ているロトブラシとエッジを調整して完了です。
切り抜きができたかどうか確認するため、任意の動画ファイルをレイヤーの下に配置してみましょう。
フレームレートが一致しません
「フレームレートが一致しないか、フィールドを含むフッテージが見つかりました」と画面下に黄色いバーが出てきて選択ができないことがあります。
これは元の動画と、その動画を配置したコンポジットのフレームレートが一致していない場合に出る表示です。コンポジットのレートを動画のレートの数値に変更すれば正常に動作します。
まとめ
ロトブラシとはマスク処理を効率的に行う機能のことです。動画は静止画が集まってできています。切り抜きたい最初のカットで対象にマスクをかけ、同じ処理を後に続く静止画に適用することで動画が切り抜かれているように見せているのです。