超簡単な編集法は音楽に合わせることです【動画有】

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

駆け出しのころ山のようにこなした仕事の一つにフィラーづくりという仕事があります。はっきりいって新人に押し付けられる雑用です。しかし見方を変えると格好の練習台です。

フィラーの制作は単純です。手元にあるのは映像だけ、カメラマンも編集マンもナレーションを語る人もつきません。映像を編集機でつないで、曲をあてれば出来上がり。これを数作らなくてはなりません。

いちいち絵を選び出したら迷うばかり。繋ぎにこだわる人ほど時間をかけてしまいます。何回か繰り返すうちにようやくたどり着いた解決策を公開します。

最速の編集法は音楽に合わせることです

まず、先日作成した映像ミニ紀行をご覧ください。

撮影場所を決めてから約1時間で撮影。編集からアップロードまで約4時間の超速で作りました。速さの秘密は音楽に合わせて編集したこと。地域の特徴と自慢の観光スポットを描くというコンセプトづくりも選曲しながら思いつきました。制作時間はいつもの半分ですますことができました。

音楽が効果的な理由

音楽を先に決めるのには理由があります。

  • 音楽は尺が決まっている
  • 音楽には流れやストーリーがある
  • 辻褄の合わない編集もごまかせる

本気になって映像を編集し始めると映像選びや並べ方に悩むことになります。しかし、音楽が先に決まっていると曲の中で成立させなくてはなりません。使いたい絵がいくら合っても枠に入りきらない映像は諦めざるを得ません。強制力が刺激となって瞬発力を高めてくれるのです。

①音楽は尺が決まっている

味付け仕方でイメージが変わる番組は方向性を決めにくいものです。自分の世界観に合った音楽を先に決めておくと、ムダに悩む時間を減らすことができます。

②音楽には流れやストーリーがある

だいたいの音楽にはスタートやゴール、展開が入っています。テンポに合わせて絵を並べるだけでもメッセージが伝わりやすくなります。音楽の流れを意識しながら映像をつなぐとわかりやすい展開が見えてきます。

③辻褄の合わない編集もごまかせる

大きな流れに乗ることができれば、多少のカットの選択ミスがあったとしても目立たないというのもメリットかもしれません。

作り方は簡単です

作り方をおさらいします。いつも言っていますが、映像制作は絵がないことには始まりません。ポイントは・・・

素材はしっかり集めること

必要な映像がしっかり撮れていないと編集でいくら頑張っても最低限の手当しかできません。固定して撮るものはしっかり固定する。アップと引きはセットで撮る。など自信を持って絵を撮りましょう。

ラッシュを見て選曲イメージを膨らませる

撮った映像をDavinch Risolveに取り込み、ラッシュを見ながら作戦を考えます。

作品の”開始と終了”は特に重要です。

始点と終点を決めることでどのような物語が展開できるか決まるからです。ラッシュの素材イメージを頭に置いて選曲します。YouTubeのライブラリーを視聴しながら使えそうなファイルを二、三本ダウンロードして編集ソフトに取り込みます。

DaVinci Resolve編集画面の例

写真の右下に見えるのがタイムラインと呼ばれる編集画面です。上の水色のブロックは映像クリップ、下の緑色は音声です。時系列に並んでいるので視覚的に編集ができます。写真ではわかりませんが、緑色の帯には音声の波形が表示されているので波形のテンポに合わせてクリップを並べなおすことができます。

編集のコツ

編集画面を開いたら、最初に音楽が入った音声ファイルをタイムラインの音声に配置します。ここからのポイントは

  • 頭と終わりに気を配る
  • 冒頭の1分は情報を盛り込み、中盤は情緒に気を配る
  • 独りよがりは禁物、余白に気を配る

次にオープニングの映像を冒頭に配置します。そして、ここから開始1分の位置までどのような画像を置いて何を語るのかかなり意識しながら映像をタイムライン上に貼り付けます。

この映像では商店街を一直線に歩くカットを数秒単位でジャンプカットしてつないでいます。

ジャンプカットはカットの切れ目がカクカクする編集です。放送番組では違和感を感じる人が多いことから使われていません。

ここではカットの間にディゾルブというクッション効果を入れて音楽との調和を考えました。

情報番組の編集では、説明は導入に固めるという鉄則があります。いつ、どこで、誰の話なのか。何を目的とした番組なのかを冒頭で語り切るというものです。

ワンカット目のタイトルで場所と目的を語り、商店街の移動ショットで日付と場所、その土地の特徴を語り切りました。早ければ早いほど、完結ならば簡潔なほどよく、空いた時間を展開に回すことができます。

冒頭の1分間がうまく立ち上がったら、映像クリップのエンディングをどの映像で締めくくるのか考えます。この時点では確定する必要はありませんが、冒頭で宣言した目的を回収して、視聴者の満足につなげることを忘れてはいけません。

開始と終了の構成が決まったところで、中盤の繋ぎに入ります。起承転結でいうと承と転に当たる部分です。ここは曲調に合わせドライブ感を感じさせる映像を探しながら当て、情報を極力厚く盛っていくように構成します。

展開部分に余裕を持たせることにも意味があります。映像は説明がすぎると視聴者の想像する自由を奪います。視聴者が勝手に想像できる余裕を余白と呼びますが、余白を意識してつなぐようにしましょう。

まとめ

プロの制作者が作る番組は映像を最初に繋ぎます。後からコメントや音楽をつけていきます。映像を並べ替えて物語を作る方が絵に音を当てるよりはるかに手間がかかるからです。

だから誰もが映像の繋ぎ方にこだわります。ここに思い込みが生まれます。考えてみればわかりますが「番組は絵を先につなぐ」というルールなどはありません。出来上がった番組がよければそれでいいのです。