映像編集では、複数のシーン間で色味や明るさを揃える「カラーマッチ」が重要です。
今回は、Premiere Proで手動で映像の色味を合わせる方法を解説します。この方法を覚えれば、シーンごとの不自然な色差を解消でき、映像全体に統一感を持たせられます!
Premiere Pro で複数の映像の色を手動でマッチさせる方法|初心者向けガイド
タイムライン上に編集されたクリップ。よく見ると微妙にクリップごとの色味が違う場合があります。そんな時は基準となるクリップに色を合わせると統一感が生まれます。
1. 基準となるクリップを選ぶ
まずは、他のクリップと色味をマッチさせる基準となるクリップを選択します。この際、以下の2つのポイントを意識しましょう。
• 被写体がはっきり映っている
メインの被写体がくっきり映っている映像を選ぶと、人肌の色味・スキントーンを正確に補正しやすくなります。
• 周辺環境も含めて映り込んでいる
周辺の背景情報も映り込んでいる映像を基準にすると、他のクリップとマッチさせやすくなります。
例として、ワイドショットで周辺環境がしっかり映り込んでいても、被写体が小さすぎるとスキントーンが確認しにくい場合があります。被写体と背景がバランスよく映った映像を選ぶのがポイントです。
2. 基準クリップのカラー補正
基準クリップを決めたら、まずはそのクリップの色味と明るさを調整します。スキントーンを意識しながら補正するのがコツです。
色味を調整するにはカラーコレクションとカラーグレーディングの知識があるとうまくいきます。別記事にまとめました。
• ルメトリカラーのカラーホイールやカーブを使う
ルメトリカラーのパネルで、基準クリップの色合いを整えます。特に、スキントーンが自然な色味になるように調整しましょう。
3. 他のクリップを基準に合わせて補正
基準クリップが調整できたら、他のクリップも基準に合わせて色味を補正します。まずは、基準クリップと似た照明や被写体の角度のクリップから順番に調整するのが簡単です。
• スキントーンの確認
基準クリップのスキントーンを目安に、他のクリップのスキントーンが一致するように調整します。
• 環境色の確認
基準クリップと他のクリップの背景色も合わせるように、カラーホイールやカーブを使って調整します。
4. 自動カラーマッチ機能も試してみる
Premiere Proには、自動でカラーマッチをしてくれる「比較表示」という機能があります。
1. ルメトリカラーの「カラーホイールとマッチ」を選択
「比較表示」をクリックすると、画面が2つに分かれ、基準クリップとマッチさせたいクリップを同時に確認できます。
2. 自動マッチを適用
自動マッチ機能は「適用」ボタンで実行されます。これによりAIが自動で色を合わせますが、仕上がりが完全ではない場合が多いため、最終的には手動で微調整が必要です。
5. 手動での微調整
自動マッチである程度揃ったら、細かな調整は手動で行います。特に、以下のようなポイントに注目します。
• 色の偏りを確認
ルメトリスコープで、各色(特にレッド、グリーン、ブルー)のバランスを確認します。例えば、レッドが強すぎる場合は、ミッドトーンやシャドウで色を抑えるように調整します。
• 明るさの一致
明るさも重要です。基準クリップのハイライトやシャドウのレベルに合わせて、他のクリップの明るさも調整します。
6. 手動でのカラーマッチのコツ
手動でカラーマッチを行う際のコツとしては、「スキントーン」と「背景の色合い」を意識して調整することです。基準クリップの設定を参考にしつつ、映像全体が自然に見えるように仕上げましょう。
まとめ
Premiere Proで映像の色をマッチさせる際、手動調整をマスターすると、映像の仕上がりが格段に向上します。自動マッチ機能も便利ですが、最終的には手動で微調整するのがベストです。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 Premiere Pro を書きます。