iPhone動画をグレーディング する方法DaVinci Resolve18

iPhone動画をグレーディング
フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 iPhone動画をグレーディング を書きます。

iPhoneで撮影すると高品質な動画が撮れるようになりました。

でも困ったことは、編集時に他の素材と微妙に色味が合わなかったりします。

赤みがかったクリップが編集点で黄色味がかって見えたりすると高精細の映像であるほど気になります。

演出上クリップ全てを落ち着いた色味にしたくても、撮影したカメラによって色味がデコボコして見えると興ざめです。

色味を合わせるにはDaVinci Resolve18のような色調整・カラーグレーディングができるソフトを使います。

DaVinci Resolve18には「カラーコレクション(カラコレ)」と「カラーグレーディング(カラグレ)」という機能が搭載されていて、この機能を使って自然の色味に補正した後で好みの色に作り上げるのです。

しかし、説明をよく読むとカラー調整には条件があることがわかりました。

条件とは「LOG撮影」か「LUTによる色補正」

初心者には「なんのこっちゃ」とわからない人がほとんどです。

iPhoneで撮影した動画を他のカメラで撮ったクリップにの色味にうまく合わせる方法を紹介します。

iPhone動画をグレーディングする

結論から言うと、

iPhoneの初期設定のままで撮影した動画。そのままでも十分きれいです。

この動画はアプリを使うことで別の動画の色になんとなく合わせることができます

なんちゃって色合わせです。

しかし、細かく編集していくと粗が出てきます。

しっかり色合わせするには正しいカラーグレーディングが必要です

ではどうすればいいかというと、LUTを適用する前提として撮影することです。

LUTって何か初めて聞く人もいると思います。

LUTとは補正用のプログラムのこと。カメラごとに異なる色味を肉眼で見た自然の色味に近づけてくれるプログラムです。

iPhoneで撮影した動画にも当然クセがあります。そのクセをLUTを当てることで補正して、RAW形式で撮影した素材に匹敵するものになるのです。

さて、ここでまたわかりにくい用語が出てきました。

RAW形式とは一言でいえば「全部入り」の撮影形式です。

撮影された映像情報は余さず記録されているため、編集段階で足りない色を引き出すことができます。

収録データは膨大なものになります。

逆に、RAW形式以外の撮影では、目で見える以外の情報は省かれてしまうため、あとで補正することは困難です。

iPhoneの場合でも再生するときれいに見えますが、いざ加工しようとしても情報に余裕がないため微妙な調整はできません。

iPhoneがRAW形式で撮影できれば問題はありませんが、それはスペック的に無理です。

iPhoneで情報満載の映像を撮影するにはどうするか。

方法は一つあります。

それはLOGと呼ばれる方法で収録すること。

RAWとLOGとはデータを全部入りで撮影する方式です。

違うのはLOGがRAWデータから色調・彩度・諧調を処理した圧縮データとして記録すること。

全部入りだけど、きれいに折りたたんでデータ量を減らすことで

iPhoneなどでも使うことができるのです。

RAWとLOGについて、今更聞いちゃダメですか?|東京カメラ機材レンタル株式会社|note

本来ならばRAWで収録して編集がベストですが、機能に限りがあるiPhoneで同等の動画編集をするなら、LOG収録に頼り、機種間の壁を超えるLUTを使うしかありません。

逆を言えば、“正しいLUTの効果”を得るために「LOG収録された動画ファイル」で撮影できれば、正しいグレーディングができるのです。

iPhoneでLOG収録する方法

iPhoneでLOG収録するために使えるアプリがあります。 

有料のアプリ「FiLMiC Pro」です。

iPhoneでシネマスコープ動画が撮れる!高機能アプリの注目度 | ぶいろぐ

FiLMiC Proを使うことでiPhoneはLOG収録できるようになります。

LOGで収録できれば、iPhoneに対応したLUTを使うことで、RAWと同等の編集ができます。

つまりカラーグレーディングができるのです。

ただし、無料のFiLMiC Proには別の問題があります。

それはLog収録した動画ファイルはそのままではFiLMiC Proに保存できないのです。

「保存するには別料金を払え」という仕組みでロックがかけられます。

いやらしいですね、

「FiLMiC」のLOG収録機能をアンロックすることでLOG収録された動画を保存できます。[1]LOG収録機能のアンロックにはさらに1800円かかります

おさらいすると

  • iPhoneの基本仕様ではLOG収録ができないのでLOG収録できるアプリを導入する
  • アプリ「FiLMiC」でLOG収録する
  • 「FiLMiC」で収録したLOG素材を保存できるようにアンロック機能を購入する
  • 保存したLOG素材を使ってLUTを適用する

という流れです。

LOG素材をグレーディングする

まず、下記のURLを参考にしてFiLMiC Proの導入と撮影を行います。

「FiLMiC Pro-マニュアルビデオカメラ」をApp Storeで

FiLMiC Proの使い方全機能を紹介!シネマスコープサイズで動画を撮れる!? – Yugoの不思議な音楽の国

FiLMiC Proを使った撮影は、iPhoneのおまかせ撮影のような便利さはありません。

画角やシャッター、露出やピントはマニュアル。

好みの動画を作るための作業工程は自己責任であることがわかります。

さらにRAWモードはデータ量が増えるので管理の手間も増えます。

FiLMiC Proのメリットはそれ一つで作業が完結できること。

FiLMiC Proはカラーグレーディング機能も備えているので、単体で使う場合はFiLMiC Proでグレーディングまで完結することができます。

「FiLMiC」で収録したLOG素材を編集用のPCに転送し、DaVinci Resolve18を使ってカラコレとカラグレを行います。

初心者が動画を 色補正 ( カラーコレクション ) する方法DaVinci Resolve17 | ぶいろぐ

iPhoneで撮影したクリップと他のカメラで撮影したクリップが混在しても、以上のような手段を使うことで解決できることがわかりました。

まとめ

シネマチックな映像が撮りたい。

そう思う人は少なくありません。

iPhoneでRAW撮影ができれば全て解決ですが、スペック上、それにコスパ上そういうわけにはいきません。

RAW形式に近いLOGで撮影することで映画品質に近い動画が撮影できます。

編集時に他の素材と微妙に色味が合わなかったりしてお困りの方は、試してみてはいかがでしょうか。

参考動画

【スマホ】バイク動画を映画風にするカラーグレーディングとは? | バイクレ!!

iPhoneだけでLOG撮影とグレーディング(LUT)が可能な時代が来た。 | SOi 24

References

References
1 LOG収録機能のアンロックにはさらに1800円かかります