脚本家の仕事がわかる本

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

ニュースやドキュメンタリーなど世の中の出来事を扱う番組は取材した物を映像化するのが基本です。1を2にも3にもするようなところがあります。

しかし、放送局でもドラマを作るグループの仕事は特殊です。

ドラマが扱うのはゼロの世界。何もなとところからメッセージを作り上げていくところがあります。

ゼロから映像を生み出す仕事

企画を考え、脚本を依頼し、出来上がってきた脚本を吟味しながら撮影の段取りを進める。

出演者の人選も重要で、事務所との調整がある。

セットを中心とした撮影の場合には、セットの設計をデザイナーや大道具担当者と調整しする。

ロケの場合にもデザイナーと現場を下見しながら構想を練る。

当然、ロケ現場では日常生活が営まれているので、出演者の日程調整も必要。

スタッフも含めた大人数を移動したりメシの世話もしなくてはならないし、地域や警察などへの許可申請もしなくてはならない・・・。

雑用も含めた作業をそつなくこなした上で初めてドラマが成立するのです。うまくやっていくためには、スタッフ同士の連携が他の番組とは比較にならないほど濃密でないとなりません。

したがってドラマの仕事をする制作者は好むと好まざるとにかかわらず長期間にわたって拘束されていくことになるのです。

ドラマの成否を決める脚本

したがってドラマ制作者が一番心血を注ぐのが脚本家との関係です。腕の立つ脚本家は限られている上、数年後までスケジュールが詰まっていることもあります。

企画がいくら良くても脚本家自身が興味を持ってくれないと、骨太なストーリーは出来上がりません。機会あるごとに、脚本家と接触し意欲を掻き立て創作につなげることができるかが制作者の能力なのです。

関係者の話を聞くにつれ、毎日ネタ探しに追われる仕事もそれほどひどい仕事ではないと思いました。

ドキュメンタリーにも脚本がある

ドラマと一般番組では仕事の進め方は全く違いますが、共通しているの物があります。それはストーリーです。番組がどういうきっかけで始まり、どういう結論で終わるのか。番組を通じて制作者が伝えたいメッセージとは何か。こうした骨格に当たる構造はドラマも一般番組もそう変わりがありません。

ドキュメンタリーは事実を伝える物だと言われますが、もう少し詳しくいうと”事実の再構成”です。私たちはこれから起きる出来事を予測することはできません。

つまり撮影は全て起きたことをなぞることしかできないのです。

事実の再構成は”やらせ”と紙一重です。”やらせ”と違うのは、取材される側も含め、再構成であることを知った上で撮影に協力していることです。

再構成された映像を使って、過去に起きた事実を再現し真実の断片に迫ろうという営みです。

そこには物語の組み立てが大きな力を持ちます。ストーリーという流れを練り上げることが欠かせないのです。

ドキュメンタリーづくりの基礎を考える上で、脚本というものの力に注目せざるを得ない理由がここにあります。

ストーリー ロバート・マッキーが教える物語の基本と原則

ストーリーを考える上で、ドラマ担当者や脚本家が薦める本があります。

それは映画の本場、アメリカ・ハリウッドの関係者の間に伝わる教則本です。

脚本の良し悪しが興行収入を左右するハリウッド映画の世界では、物語を作り出すセオリーの分析に力が注がれてきました。

そこには、受け手である私たちの心を捉えて離さない技の数々が記録されています。

映像作りを生業とする人にとって必読書とも言える本です。

本書では、脚本家が学ばなければならないストーリーの普遍的な「型」を解説するとともに、キャラクター造形の方法、または物語に必須の「事件」の描き方とその設定の仕方を徹底的に掘り下げます。
特に、目から鱗が落ちるように感じるのは、これまで、ストーリーとキャラクターは別のものであるかのように扱われていたのに対し、マッキーが「ストーリーの構造とはキャラクターのことであり、キャラクターとはストーリーの構造のことである」と強く主張する点にあるでしょう。
本書は、物語の「内容」にふさわしい「形式」を、ストーリーを創作する上で実際にどのように与えるかということを詳説しています。

まとめ

人生は時間が限られています。

限られた時間の中で良書にめぐり逢うことは、ファストパスで創作の山を登るほど貴重なものです。

しかし、一度高みに登ってしまえば視野が広がり、創作の泉は常に刺激に満ちたものになるに違いありません。