照明の基本は三つある

フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

駆け出しの頃、ニュースカメラマンの手伝いで夜の現場に行った思い出があります。任されたのは照明です。たすき掛けにバッテリーを抱え、手持ち式白熱灯を掲げて現場を走りました。

結構キツイ仕事だったことを思い出します。

照明の仕事とは

放送が終わった後開かれる反省会。そこで学んだのは照明の基本でした。

それまで私は、対象を明るく照らし、くっきりとした映像が取れるようにすることが照明の仕事だと思い込んでいました。

しかし、カメラマンから返ってきた答えは違っていました。

照らし出すことは大切だけど、それだけではいい絵は撮れない。なぜなら満遍なく当てると画面は平板になってしまからというのです。

ではどうすればいいのか。

照明の役割は平板にならないよう、上手に影を作ることなのだとカメラマンは言います。

ライトを当てる角度を微妙にずらすと、被写体の凹凸に応じて影ができます。この影のつけかたで映像の仕上がりに差が生まれます。つまり照明の基本は、照らすことではなく、光を当てて影を作ることなのです。

ライトが一灯しかない場合は、カメラの脇に立ちライトを斜め上から対象に当てると影ができる。ライトと対象の間隔を広げたり狭めたりすることで明るさも変えられる。プロの照明担当者は計算しながらライティングの設計をしていると言われました。

“照らす”と”当てる”のわずかな違いは現場で経験をしてみないとわかりません。照明を学ぶにはカメラマンの手伝いをしながら会得するのが早道です。

基本の三灯照明

では、アマチュアが照明の本質というべき影を作るにはどのようなやり方があるのでしょうか。基本となるのが三灯照明という方法です。

基本の三灯照明

三灯照明とはメインライトと補助ライト、逆光ライトの三つの光源を被写体に当て、陰影を作り出すという方法で、落ち着いた画面を作り出せる基本の照明法です。

主にインタビューや対談など被写体のポジションが安定しているシーンで使われる方法ですが、三つの角度から光を当てるという考え方は様々な撮影現場で広く応用されています。

キーライト

キーライトとは主光線と言います。被写体に対してカメラと同じ位置から光を当てると、陰影がないのっぺりした映像になります。影が消えて立体感がなくなるのが原因です。

そこでキーライトを被写体から見て斜め上45度あたりに移動します。

すると被写体の凹凸に影が生まれます。

フィル・ライト

キーライトを当てると被写体の凹凸に影ができます。しかし、できた影は光源の加減で明暗の差が際立ったものになりがちです。コントラストがきつくなりすぎてしまうのです。

そこできつくなりすぎた影を中和させるライティング方法が補助光線(フィル・ライト)です。ライトは被写体から見てメインライトとは反対方向、斜め上20度くらいから当てます。

メインライトが生み出した影を打ち消すための光源です。ただしこのままではせっかく作った影が消えてしまうので、光量を調節します。

光量を調節するとき使うのがトレーシングペーパーです。トレーシングペパーをライトの前にかぶせることで光が分拡散して影の部分に回り込むことで全体のイメージが柔らかくなります。

塩梅を加減しながら見た目に自然な影を作り出すのです。

タッチ・ライト

タッチ・ライトとは逆光線。被写体の前に二灯のライトを置いて見るとわかるのが、被写体と背景の奥行き感が弱くなることです。

そこでメインライトから見て、被写体の後ろ側にもう一灯ライトを仕込みます。逆光線です。このライトを当てることで被写体の輪郭が強調されます。

逆光線を当てるとき注意するのがカメラへの影響です。カメラの画角に入らないように照明用三脚をたてたり、光源から出た光がカメラレンズに入らないよう光の一部を遮るなどの調整を行います。

まとめ

照明は撮影の成否を握るパートナーです。撮影と照明は表裏一体。機械にはできない微妙な質感を生み出すのが人が作り出した照明です。不自然なコントラストを調整し、自然な影を作り出すことがカギになります。

基本の三灯照明を習得することでワンランク上の撮影を目指しましょう。

[照明] 分解して考えるインタビュー撮影する時の照明について | Vook(ヴック)




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元テレビ番組制作者。再就職→窓際→WEBコンテンツ制作で復活。64歳にして動画制作に自分の価値を見いだしました。目指すのは地域に根ざした"伝える系"の動画制作です。スキルアップと感謝の気持ちを持ちながら楽しく生きていきます。編集のお手伝いも始める予定です。