SNSでの動画コンテンツの人気が急増し、YouTubeでも動画クオリティの高い投稿がますます注目されるようになってきました。
多くの人がYouTuberを目指すなかで、他の動画と差別化するための「照明」は、映像のプロフェッショナルな仕上がりを左右する重要なポイントです。
ここでは、初心者でも簡単に実践できる照明方法を紹介し、動画クオリティを格段にアップするためのヒントを提供します。
YouTube 動画のクオリティを上げるための基本の照明テクニック
照明の基本ルールを理解しよう
まずは「明るさ」をコントロールすることが基本です。画面全体が暗すぎたり明るすぎたりすることがないよう、自然な明るさで調整することを心がけましょう。さらに、影ができすぎないように意識することで、顔や物のディテールがはっきりと映り、視聴者にとって見やすい動画になります。
• メインライト(キーライト): 主に顔や被写体に当てるメインの光源です。明るさの中心になるライトで、顔が自然に映るよう斜め前から当てるのが理想です。
• 補助ライト(フィルライト): キーライトの影を和らげるために使います。キーライトの反対側から少し弱めの明かりを当てることで、影を減らし、バランスを保ちます。
• バックライト(タッチライト): 背景と被写体の境界をはっきりさせ、立体感を出すために背後から当てるライトです。人物が背景から浮き出るように見え、動画がよりプロフェッショナルに見える効果があります。
自然光の利用と調整
照明機材が揃わない場合やコストを抑えたい場合は、自然光も有効です。特に窓からの柔らかい光は、顔や物が美しく映りやすいため、日中に窓際で撮影するのも一つの手です。ただし、時間帯によって光が強すぎたり色味が変わったりするため、撮影前に光の強さや向きを確認することが重要です。
• ポイント: 強すぎる光は、レースのカーテンなどで和らげると良いでしょう。光が柔らかくなり、肌や物がより自然な質感で映ります。
照明機材の選び方
照明機材を取り入れると、時間や天候に左右されず安定したクオリティの動画を撮影できます。以下のような照明が手軽でおすすめです。
• リングライト: 顔を均等に明るくしてくれるため、美肌効果があり、ビューティー系やレビュー動画などに最適です。目元にリング状のキャッチライトが入り、表情を明るく見せます。
売れ筋なのがサンワサプライの「スマホ用 リングライト 200-DGCAM025」です。明るさは最大700ルーメン、クリップ式なのでスマホを挟みやすい仕様で、色、明るさは10段階から選べます。
• ソフトボックスライト: 柔らかい光を広範囲に当てることができるため、全体的にふんわりとした明かりが必要な場合に向いています。キーライトやフィルライトとして使うことが多いです。
売れ筋は「Profoto 1×4フィート OCF ソフトボックス」価格は三万円近くしますが商品撮影やポートレート撮影で使われる場合が多く、初心者や使い方がわからない方には、ソフトボックスからの挑戦がおすすめです。
• LEDライトパネル: 調光が可能なものが多く、シーンに合わせた光量調整ができるため、あらゆる場面で活用しやすいです。小型のものは持ち運びも便利で、場所を選ばずに使用できます。
売れ筋は「VILTROX L116T LED ビデオライト 超薄型LEDパネル」です。デジタル一眼レフカメラのホットシューに直接取り付けることができるLED照明です。小型の照明にしては明るく、携帯性に優れ、電池で動作します。内容は以下の通りです。
実践テクニック: 自然な立体感を作るライティング
プロがよく用いる「三点照明」は、被写体に自然な立体感を与え、動画全体の印象を引き締めてくれます。この手法は、キーライト、フィルライト、バックライトの3つを使い、それぞれのバランスを調整しながら立体的に見せる技術です。
• 位置の調整: キーライトは45度から当て、フィルライトは逆方向から少し遠めにセット、バックライトは被写体の背後に配置して、自然で奥行きのある仕上がりを目指しましょう。
色温度の調整で雰囲気をコントロール
照明の「色温度」を調整することで、映像の雰囲気や印象を変えることができます。
例えば、暖色系のライトを使うと温かみのある映像に、寒色系を使うとクールな印象に仕上がります。多くのLEDライトは色温度を自由に変えられるので、シーンやテーマに合わせて工夫してみましょう。
• 暖色と寒色のバランス: 室内では少し暖かみのある光を使うと、親しみやすい印象になります。一方、寒色系の光はシンプルでシャープな雰囲気を演出します。
まとめ
動画クオリティの向上に欠かせない照明テクニック。照明をうまく活用することで、視聴者にとって見やすく、さらに引き込まれるような映像を作ることが可能です。
現役時代、カメラマンから「照らすと当てるの違い」について聞いたことを思い出しました。
照らし出すことは大切だけど、それだけではいい絵は撮れない。なぜなら満遍なく当てると画面は平板になってしまからというのです。
ライトを当てる角度を微妙にずらすと、被写体の凹凸に応じて影ができます。この影のつけかたで映像の仕上がりに差が生まれます。つまり照明の基本は、照らすことではなく、光を当てて影を作ることなのです。
“照らす”と”当てる”のわずかな違いは現場で経験をしてみないとわかりません。照明を学ぶにはカメラマンの手伝いをしながら会得するのが早道です。
初心者の方も、まずはシンプルな照明セットから始めて、少しずつ自分のスタイルに合った照明テクニックを見つけてみましょう。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 照明の基本 を書きます。