
編集作業の終盤に待ち構えているのが字幕=テロップ作業です。
映像にテロップを入れる際、限られた時間に収まるように原稿を削ったり並べ替えたりします。この作業は面倒で手間がかかります。テロップ原稿が一枚一枚ファイルにわかれていると、ファイルの管理もたいへんです。
少しでも手間をかけたくのないとき役立つのが Photoshop を使う方法です。
Photoshop のテキスト置き換え機能
Photoshopは 写真の加工・編集をメインとしたソフトです。動画編集ではPhotoshopで加工した写真やイラスト、文字をよく使います。
あまり知られてはいませんが、Photoshop には”データセット機能“という機能があります。データセット機能とは「決まったフォーマットを元に、画像や文言を差し替える機能です。
この機能を使うと、 Photoshop が別途用意した字幕の差し替え情報をもとに、ひな形のテロップをもとに文字を差し替えたテロップを自動的に生成してくれます。
たとえば上記のように、フォントやサイズ、色を設定したテロップがあるとします。textの部分を差し替える情報さえ用意しておけば、差し替わったファイルが一瞬の間にできあがります。
ふつう、この作業はファイルごとに一つ一つ手打ちで情報を入力していました。 Photoshop はデータセット機能を使って箇条書きの部分を読み込んで、個別のテロップファイルに分割・保存してくれるのです。
PhotoshopはPremiereだけでなく、Davinch Resolveでも普通に読み込んでくれます。
用意するのはテロップ原稿を箇条書きにテキストファイルに並べておくだけ。 年賀状の宛先印刷に似ています。
手順



1.差し替え情報を用意する
2.Photoshopを設定する
3.データを読み込ませる
4.ファイルを書き出す
以上です。
手順はAdobeの公式ページに掲載されています。
1.差し替え情報を用意する
テキストファイルを開いて、字幕に使うテキストファイルを作ります。ポイントは一行目の文字列です。一行目は「変数列」といって、ひながたとなっで置き換れる文字を指定します。テキストファイルは任意の名前で保存します。
2. Photoshop を設定する
Photoshop でテロップの書式を設定します。YouTubeなど動画投稿に使われるフォーマットは1980×1080です。背景色=カンバスカラーは初期設定の透明です。


レイヤーの上にテキストを書き込みます。
字幕のレイアウトを作成します 。


文字の見栄えは[レイヤー]の textの部分を右クリックして現れるレイヤースタイルで変更することができます。[1]段落パネルで「テキストの中央揃え」を適用しておくことで、テキストの長さに関わらず中央揃えにすることができます。
3.データを読み込ませる
作成したテキストレイヤーを選択した状態で、イメージ/変数/定義 を選択します。
[テキストの置き換え]にチェックを入れ、置き換える文字列を決定します。
作成したテキストファイルの 1 行目に設定した変数名を入力します。この場合はtextの部分を別の文章に差し替えるという意味になります。


イメージ/変数/データセット を選択して変数 ダイアログボックスを開き、「読み込み」ボタンをクリックします。
- データセットセクションの三角形をクリックすると、テキストファイルの行を移動して内容を確認できます。
- 「プレビュー」にチェックを入れると、テキストレイヤーに反映されます。
4.ファイルを書き出す
生成されたテロップをファイルの形にして書き出します。
まとめ
テロップ原稿は編集ソフトの機能を使って作ることができるので、個別にテロップファイルを読み込ませるのは手間に感じるかもしれません。
別途テロップファイルを作るメリットは修正のやりやすさにあります。一か所だけ手直ししたいケースは動画制作をしていると頻繁に発生します。
問題がある場所だけピンポイントで手直しすることができるこの方法は、テロップ作成の作業効率アップにつながるほか、メンテナンス時にも役立ちます。
使えば使うほど手になじむ方法のように思えます。
Photoshop を利用してテキストファイルから字幕データを一度に作成する方法(Premiere Pro CC)
References
↑1 | 段落パネルで「テキストの中央揃え」を適用しておくことで、テキストの長さに関わらず中央揃えにすることができます。 |