はじめに:テロップの位置、気にしていますか?
「なんか見づらいな…」
スマホでYouTube Shortsやインスタリールを見るとき、そう感じたことありませんか?
実はそれ、テロップの位置が揃っていないせいかもしれません。
テロップの上下のズレは、視聴者の目線を必要以上に動かすことになり、無意識のうちにストレスを与えてしまいます。
今回は、DaVinci Resolveでテロップをピタッと位置合わせする方法を、初心者の方にもわかりやすく解説します!
初心者でも簡単!DaVinci Resolveで複数のテロップを正確に位置合わせする方法【縦動画にも最適】
ステップ1:編集済みの縦動画を用意する
まずは、編集を終えた状態の縦動画(1080×1920など)と、すでに配置したテロップが複数ある前提で進めます。

※テロップを入れる前の方は、先に「テキスト+」などでテロップを配置しておきましょう。
ステップ2:調整クリップをタイムラインに追加
1. [エフェクト]ライブラリを開きます。

2. [エフェクト] → [調整クリップ] を、タイムラインの最上段のトラックにドラッグ&ドロップします。

3. その調整クリップを、動画全体を覆うように端から端まで伸ばします。

この「調整クリップ」が、これから使うガイド線(グリッド)を表示する土台になります。
ステップ3:グリッドエフェクトを追加する
1. [ResolveFXジェネレート] → [グリッド]を探します。

2. 調整クリップに[グリッド]をドラッグ&ドロップで追加。
3. プレビューモニターに碁盤の目のようなガイド線が表示されます。

これで、テロップの正確な位置合わせが可能になります!

ステップ4:テロップの位置をグリッドで調整
テロップを一つずつ選択し、グリッド線を参考にして上下左右の位置を整えます。
ポイント:
• 中央揃えなら、グリッドの中央線に沿わせる
• 複数のテロップのベースラインを統一する
• サイズも揃えるとさらに美しく見える
見た目では分かりにくいズレも、グリッドを使えば一目瞭然です。
ステップ5:グリッドを非表示にする
位置が整ったら、調整クリップの左端にある「ビデオトラックの有効化(目のアイコン)」のチェックを外して、グリッドを非表示にしましょう。
あとは通常通り動画を書き出せば完成です!
まとめ:テロップの位置、整っているだけで「プロっぽさ」アップ!
スマホ向け動画において、テロップの位置を整えることは超重要。
グリッドと調整クリップを使えば、誰でも簡単にプロっぽい仕上がりにできます。
テロップがズレているだけで「なんか素人っぽいな」と感じさせてしまうのはもったいない。
一手間かけるだけで動画の見栄えがよくなるのでお勧めします!
見やすいテロップの作り方
フォントを選ぶ

見やすいテロップとは一瞬で何が書かれているかわかること。まずはじめに使うフォントを選びましょう。
動画編集でフォントを追加する方法【DaVinci Rresolve16】 | ぶいろぐ
エンタメ系の動画などに使うようなよほど特殊な演出でないかぎりテロップはわき役です。
視聴者が映像に集中できるように一度決めたフォントは変えないことをお勧めします。
最適なのはゴシック体で、太さを表す単位・ウェイトが太いものの中から選びます。
参考までに私がよく使うフォントはUDデジタル教科書体のウェイトBです。
「UDデジタル教科書体」は、デジタル教科書をはじめとしたICT教育の現場に効果的なユニバーサルデザイン書体です。ロービジョン(弱視)、ディスレクシア(読み書き障害)に配慮したデザインで、リーダビリティについてのエビデンス(科学的根拠)も取得しました。また、2016年度より施行された障害者差別解消法の理念にも基づき設計されています。
文字数とサイズを決める
テロップはワンカットに一枚表示するのが一般的です。
リポート番組などの場合、ワンカットの長さはおおよそ7秒~8秒です。
このタイミングで読み取れる一行の文字数は15字程度なので、文字数を基準に画角に収まるサイズを決めます。
ポイントはカットが表示される時間内にテロップが二度見できるような分量です。
視聴者がストレスなく読み取れるように配慮することが重要です。
チラ見でも書かれていることが理解できれば視聴者はストレスを感じません。
そのため、文章もわかりやすい表現にするのが吉です。
原稿内容に目を配り、読みにくい言葉や映像で見てわかる内容など整理します。
テロップを配置する位置にもこだわります。
画面下に適度なゆとりを持たせて配置すると見やすくなります。
テレビでは編集画面で表示された8割しか表示されません。
そのため編集ソフトには「セーフエリア」という表示ガイドがあります。
DaVinci Resolve17の「セーフエリア」を表示させることができるのでテロップの位置を決める目安にするといいでしょう。
見せ方を工夫する
フォントや文字数など動画の基本が固まったところでテロップの加工をはじめます。
見やすいテロップを作る演出上のポイントは4つあります。
- ドロップシャドウをつける
- 文字の輪郭を強調する
- 文字のバックにザブトンとなるシェイプ(形)を当てる
- 背景の映像にグラデーションをつける
テレビのバラエティ番組などではテロップの演出に徹底してこだわります。
一瞬たりとも視聴者を逃さないためですが、制作者としてはできればやりたくない仕事の一つがテロップともいわれます。
テロップづくりに費やす仕事量は膨大なので、どこまでなら時間を割けるか考えた上で取り掛かりましょう。


効果的なエフェクトのつけ方
シャドウや輪郭線、背景などの加工はテキストごとにできますが、慣れないうちはツールを使うことをお勧めします。
ドロップシャドウをつける

DaVinci Resolve17にはあらかじめテキストにドロップシャドウをつける機能が設定されています。
[テキスト+]でタイムライン上にテロップを書きます。インスペクタの[Shading]から[Shading Elements][Select Elements]にある数字を3に変えると[Priority][Black Shadow]という項目が現れます。
[Enabled]にチェックを入れると自動的に影が入ります。影の濃淡を変えたければ[Opacity]を、色を変えたければ[Type]を[Solid]にして色のスライダーを適宜変えると変わります。
輪郭線を強調する

文字の輪郭線を強調する場合は、[Shading Elements]を2にして[Enabled]にチェックを入れると輪郭線の加工ができるようになります。
輪郭線の太さを変えたい場合は[Thikness]の値を変えます。
さらに太い線にしたい時は右の数字を適宜変えると変更できる範囲が広がります。
文字の背景にザブトンを敷く

背景にシェイプを当てたい場合は[Shading Elements]を2にして[Enabled]にチェックを入れ、[Appearance]にあるアイコンを左から3番目のマークを選択します。
すると文字の背景に長方形のシェイプがザブトンにように配置されます。
背景にシェイプを入れる
テキストなどの情報を際立たせるため動画そのものに手を入れる奥の手があります。
背景とテロップの間にシェイプを入れる方法です。
シェイプを半透明にしたり、グラデーションを入れることで従来にない演出ができます。

例としてDaVinci Resolve17で画面下半分を暗くグラデーションさせる方法を解説します。
背景にする画像の上のレイヤーにジェネレーターから[単色]をくわえます。
[単色]の配色は黒にします。 [単色]を選択したまま[Fusionページに移動]で移動します。ノードの[MediaIn]に[長方形Rectangle]を接続します。


グラデーションを画面下に持っていくため、[Center]のY軸の値を小さくして調整します。

カットページに戻って確認すると画面下が薄暗くなったグラデーションになっていることがわかります。
[不透明度]の調整はカットページのインスペクターの[合成]の下にある[不透明度]のスライドバーを使います。まとめ
テロップの位置をグリッドを使って合わせるやり方はDaVinciResolve独自の方法なので、初めての人は戸惑うかもしれません。
慣れると簡単にテロップやオブジェクトの位置合わせができます。
ぜひお試しください。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 テロップの位置 をズレなく揃える方法を書きます。