DaVinci Resolveでオブジェクトを切り抜くとき、マスクを使います。こんな質問を見つけました。
編集初心者です。davinci resolve で自由な形で切り抜きする方法を伺いたいです。ピアノの演奏を録画したのですが腕と鍵盤以外の自分の体や部屋を映したくないので黒い画面の中に鍵盤部分だけを見えるようにして黒い部分にはタイトルや他の映像を表示しようと考えています。どのようにすれば良いでしょうか。
ピアノ演奏動画を編集し、腕と鍵盤だけを映したい場合、DaVinci Resolveを使うと解決します。その手順を解説します。
腕と鍵盤だけを表示する編集方法
最もイージーな方法は見せたい部分を切り抜き、それ以外を黒塗りした静止画を作って、切り抜きたい動画素材の上に重ねる方法です。
方法1: 静止画マスクを使用
最も簡単な方法で、固定映像やわずかな動きに適しています。
映像のスクリーンショットを撮影
映像を再生し、適切なフレームでスクリーンショットを保存します。
画像編集ソフトで加工
Photoshopや無料のツール(GIMPなど)で静止画を開き、腕と鍵盤だけを切り抜き、残りを黒く塗りつぶしてPNG形式で保存します。
DaVinci Resolveに読み込み
静止画をタイムラインの「ビデオ2」に配置。
オリジナルの映像を「ビデオ1」に置き、静止画を重ねます。
注意: 静止画マスクは、手が動き回る場面では使いにくいため、映像が静止的な場合に適しています。
方法2: カラーページでのマスク 【有償版】
動きがある映像に対応した高度な方法です。まず編集する素材をエディットページでタイムラインの「ビデオ2」にドラッグします。続いてカラーページに移動し、マジックマスクを使用します。「マジックマスク」は有償版で使用可能です。
ノードエリアを開く
「カラーページ」に移動し、ノードエリア(ノードツリー)が表示されていることを確認します。ノードエリアが表示されていない場合、画面右上の「ノード」ボタンをクリックして表示します。
オブジェクトマスクを作成
ツールバーから「マジックマスク」を選択します。
- 切り抜きたいオブジェクト(例:鍵盤や人物)をプラスのスポイトで選択し、切り抜きたい範囲を指定します。
- 切り抜きたい部分(例:鍵盤や腕)をクリックしながらなぞると、その範囲が赤く塗りつぶされます(オーバーレイ表示)。
- マスクがうまくいかない場合は、プラス(追加)またはマイナス(削除)のスポイトを使い、調整します。プラスをクリックして細かい部分をなぞり、必要な部分を追加します。
- 余分な箇所が選択された場合はマイナスをクリックして不要な部分をなぞります。
プラスやマイナスのスポイトは、スポイトアイコンをクリックして簡単に切り替えできます。
必要に応じて何度でも調整できます。
トラッキングの設定
マスクの範囲を確定したら、映像全体に対してこのマスクを動きに合わせるためにトラッキングを行います。
- マジックマスクの下部にある「再生マーク(トラッキングボタン)」をクリックします。これにより、DaVinci Resolveがフレーム全体を分析し、マスクを自動的にトラッキングします。
- 右方向の矢印: 現在のフレームから映像の最後までトラッキングします。
- 左方向の矢印: 現在のフレームから映像の最初までトラッキングします。
AIが映像全体を解析して、選択した範囲(鍵盤と腕)が動きに合わせて追随するようにマスクを調整します。
エディットページでトラッキング後の確認
エディットページに戻ると、切り抜かれた部分だけが表示されます。映像を再生してマスクがきちんと追従しているか確認します。
問題があれば、再度トラッキングをやり直すか、必要な箇所をスポイトで微調整します。
黒い背景や別の映像をタイムラインの「ビデオ1」に配置します。
これで黒い背景や別の映像の上に手先だけが鍵盤を叩く映像を合成することができました。
別の映像の上に手先だけが鍵盤を叩く映像を合成することができました。
まとめ
- 静止画マスクは初心者向けで簡単ですが、動きが少ない映像向けです。
- マジックマスクを使う方法は動きが多い場合や精度が必要な場合に有効です。
- どちらの方法も、背景にタイトルや別の映像を追加すれば、よりプロフェッショナルな仕上がりになります。
この手順で、ピアノ演奏の魅力を際立たせた映像を作成してみましょう!
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 DaVinci Resolve で腕と鍵盤だけを表示する映像編集の手順を書きます。