動画制作で仕上がりの決め手となるのは映像ではなく音声です。
離れた音をピンポイントで収録するには指向性の強いガンマイクが一本あるとかなり便利です。
インタビューなど人のトークを確実に録りたいのであればワイヤレスマイクがベストです。
この記事では、量販店でも手に入りやすく初心者にもわかりやすい人気機種・Rode のRode – Wireless GoⅡを紹介します。
YouTuber推薦 Rode Wireless GoⅡ
Rode – Wireless GoⅡは2019年に発売されて話題を呼んだワイヤレスマイク「Wireless Go」の上位機種です。
Wireless Goでは送信機は一台でしたが、Wireless GoⅡでは送信機が一つ増え、二台の送信機と一台の受信機がペアで一組の商品になりました。
ワイヤレスマイクは電波法の関係で、一つの送信機に対して受信機は一つというペアになっています。
電源の入れ方
受信機をカメラのシューに差し込みます
音声OUTから3.5ピンケーブルでカメラのマイク端子に接続します。
本体は充電式です、カメラから給電できないため、必ずフル充電して撮影に臨みましょう。
送受信機の本体側面にある「Φマーク」のボタンを長押しします。すると電源が入ります。
電源を入れると、送信機は青いLEDが2本点灯します。受信機は小型液晶のディスプレイが点灯し、音声レベルメーターが表示されます。
送信機の設定
送信機は背中のクリップを使って話者の襟元に装着します。
送信機にはマイクが内蔵されているためスイッチをオフにするまで音声を送信し続けます。
マイクには付属品の風防をかぶせることができます。
風が吹く屋外での収録などは、吹かれノイズを軽減するため必ず装着しましょう。
ピンマイク(ラベリアマイク)を3.5ピンで接続することもできます。
画面の見た目や音質の面からも、ピンマイクでの収録を推奨します。
受信機側の操作
受信機には二つのボタンがあります。
- 【左】1chと2chのマイク選択ボタン
- 【右】マイクのミュートボタン(dBボタン)
送信機を二台使う場合、左右のボタンを同時に長押しすると、モノラル/ステレオの切り替えができます。
真ん中には「M/St」と書いてありますが、これは送信機の信号をモノラルに一本化する場合をマージモード。それぞれ独立して収録することをスプリットモードといいます。
二つの送信機を同時に受信し音声をミックスできます。
注意点はレベルの調整ができないこと。マージモード中は1/2chで同じ音が収録されるため、音声レベルも一緒になります
音楽などそれぞれ独立した音声を収録して編集段階でミキシングたい場合などは、1/2chが別々に収録できるスプリットモードがお勧めです。
ドキュメンタリーなどは1/2chをひとつのチャンネルで収録するマージモードを選択します。(一般的な動画編集では音声をステレオで編集することはほとんどありません)
RODE Central
RODE Wireless Go IIでは、細かな設定をパソコンにインストールしたソフトを使ってコントロールできます。
Wireless GO II | USER GUIDE & SUPPORT | RØDE
RODE Centralには送受信端末の設定を細かく行うことができます。特におすすめなのが「セーフティチャンネル」の設定です。
この設定をすることで、送信機単体で録音ができるので、万が一シャッターチャンスを逃しても(若干音の品質は落ちるものの)音声だけ収録することができます。
チュートリアル動画
スペックを比較
Rode – Wireless Go IIの競合機種にあたるHollyland – Lark 150とスペックを比較しました。
Rode – Wireless Go II | Hollyland – Lark 150 | |
製品画像 | Wireless Go II | Hollyland – Lark 150 |
寸法(L × W × H) | 送信機:17.4 x 8.5 x 6.2 cmマイク内蔵 受信機:17.4 x 8.5 x 6.2 cm | 送信機:37 × 37 × 17.5mmマイク内蔵 受信機:67 × 41 × 20.5mm 送信機は世界最小サイズ |
重量 | 送信機:30g×2台 受信機:32g | 送信機:20.5g×2台 受信機:51g |
バッテリー持続時間 | 送信機:7時間 受信機:7時間 | 送信機:4.5時間 受信機:7.5時間 *充電ケースで約2.5回分充電可能 |
指向性 | 全方向性 | 全方向性 |
周波数帯 | 2.4GHz AFH | 2.4GHz AFH |
送信遅延 | 3.5〜4ms | 5ms |
伝送範囲 | 200m | 100m |
内容物 | SC5(3.5mm TRSケーブル)、USB-C-A ケーブル×2、ファーウインドシールド×2、ポーチ | 充電ケース × 1 ラベリアマイク(ピンマイク) × 2 風防 × 2 3.5mmケーブル × 1 USB Type-A to Type-Cケーブル × 1 収納ポーチ(布製) × 1 |
発売日 | 2021年3月21日 | 2020年12月25日 |
¥44,000 | ¥33,000 | |
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Wireless Go IIのメリット
競合機種のHollyland – Lark 150より価格が高いので、少しでも安い商品を選ぶなら、Hollyland – Lark 150がいいでしょう。
最大のメリットは扱い方がシンプルで分かりやすい点です。
音声系の技術は底が深い沼みたいなところがあるので、よほど技術に興味がなければ避けて通りたいものです。
B帯周波数とか、インピーダンスとか、XLR端子・・・なんて専門用語を学んでいいのは中級者以上の人だけです。
なるべくならオートでいい音が録れるのであれば、浮いた時間は別のことに使いましょう。
ということで、Wireless Go IIのメリットはズバリ簡単セッティングができることです。
- 電源ボタンを3秒間長押しするだけでペアリングが簡単にできる
- 小型で軽量
- 電池の持ちが良い
- ステレオ録音ができる
- 送信機に付属のウインドシールドを付けることで吹かれノイズ対策ができる
胸元に送信機、受信機はカメラに取り付けたら即収録開始できる点が評価ポイントです。
デメリット
デメリットは、若干性能に癖がある点。
- 受信機にヘッドホン端子がない
- 無指向性かつ感度が高いことから周辺の音を拾いやすい
- リミッターが付いていないので大音量に気を遣う
なので業務用など、音の質にシビアな場面では信頼性の高いプロ用機材を使った方が安心です。
プロ用機材はSONY UWP-D21をお勧めします。
音割れ対策
限界を超えた音量を収録すると、音が割れます。一度割れた音は修復不可能です。
こうした事故を避けるため、Rode – Wireless GoⅡにはバックアップ用のシステムが組み込まれています。
セーフティチャンネルといわれる仕組みは、二チャンネルのうち一チャンネルをバックアップ用のチャンネルにする仕組みです。
収録時に自動的に片方の音声レベルを-20dbで収録することで、予期せぬ大音量が発生しても音割れを避けることができます。
レベルが-20dbで収録されているので、大きな音も小さく録音され、収録後に音声を適正な音量に補正できるのです。
ワイヤレスマイクの選び方
ワイヤレスマイクは、使用する電波の帯域などの違いから様々な商品が発売されています。
上位機種は高価なものが多いため、高額なワイヤレスマイクで録ると高級オーディオのような音が録れるのではないかと思っている人がいますが、それは誤解です。
平凡な音しか録れません。
では何が違うかと言うと信頼性です。放送局やプロダクションの仕事では失敗が許されないのでプロユースの製品を使います。なので、
- 年に数回しか使わない
- 多少の音切れがあっても編集でOK
- 簡単なものがいい
- とにかく安く使いたい
という目的でワイヤレスマイクを考えているなら、軽くてシャープな音が拾えるデジタル帯対応のワイヤレスマイクシステムを選ぶのが賢明です。
Rode – Wireless Go IIに関するよくある質問
- Wireless Go IIをiPhoneに接続して録音したい
- 別売りのUSB Type-C端子とLightning端子を持つケーブルでiPhoneに接続できます。受信機を繋いだ状態でiPhone側の動画モードで撮影すると音声を収録できます。
- 3.5mmジャックで接続するとノイズが発生します
- ノイズの原因はさまざまです。よくあるケースが使用するケーブルが断線している場合です。ケーブルに触ると「ガリガリっ」とか「バリっ」という異音が発生したら接触に問題がある可能性が高いです。接続端子が小さくなるほどノイズが入りやすいため注意が人ようです。業務用機種が3.5mmジャックではなくXLRのキャノンケーブルを採用しているのも接触不良を少しでも下げるためです。
- MacにRODE Wireless GO II をマウントできない
- RODE Wireless GO IIは3.5mm端子をつければMacやWindowsPCに接続できます。たまにMacに接続すると認識されない場合がありますが、対策は「RODE Central」を最新版にすることです。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 Wireless GoⅡ を書きます。